キレイを育てる性ホルモンのチカラ

 

女性であれば「キレイになりたい!」と誰もが願うことではないでしょうか。
とくにアラフィフ世代になると、なにかしらの不調も感じられやすいです。

理由は、ホルモンバランスの変化によるものです。
なるべく不調のない毎日を過ごしていきたいものですね。
この願いを叶えるためのキーワードは男性ホルモンと女性ホルモンです。

 

今回は、女性ホルモンと男性ホルモンのそれぞれの働きと、
毎日をイキイキと過ごすための食についてご紹介します。

 

目次

美と健康をつくる性ホルモンの働き

美と健康をつくる性ホルモンの働き

男性ホルモン・・・たくましい体をつくる

骨や筋肉を強くする

順位や競争することに興味を持つ

仕事に熱中しやすい

皮脂の分泌を促す

体毛の発育を促す

性欲を高める

 

女性ホルモン・・・やわらかく、丸みを帯びた体をつくる

月経や妊娠をコントロールする

子育てに力を注ぐ

家庭を守る

肌や髪を美しく保つ

骨を強くする

食欲をコントロールする

 

ホルモンの中には、主に生殖器官でつくられる男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンがあります。男性の体内では女性の1/2程度の女性ホルモン、女性の体内では男性の1/10程度の男性ホルモンがつくられ、分泌されています。男性も女性も、それぞれが両方のホルモンを体内に持っていて、それが一定のバランスを保つことにより、体の調子を整えてくれています。

 

女性ホルモンを味方につけよう!

女性ホルモンとよばれるのは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類。これらのホルモン分泌をつかさどっているのは大脳で、視床下部―脳下垂体―卵巣というメカニズムが働いています。

 

1.間脳にある視床下部は、血液中に含まれるホルモンの量をつねにチェックし、必要な時期を見はからって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌します。

2.この指令を受けて、脳下垂体は性腺刺激ホルモンである卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)を分泌し、卵巣にホルモンを分泌するよう命令します。

3.指令を受けた卵巣は、指示通りに卵胞ホルモンや黄体ホルモンを分泌します。

 

 

ホルモン分泌のメカニズムを知っておくことも大事です。
なぜなら、女性の健康と美容にとても重要な要素であるからです。

 

 

女性のライフサイクルとカラダの変化

女性のカラダは、初経を迎える思春期から、20~30代の成熟期、そして更年期、高齢期と、ライフサイクルに応じて変化していきます。必要以上に不安がらず、女性ホルモンとじょうずに付き合っていきましょう。女性は、それぞれのライフステージに応じてホルモンの影響を受け、カラダとココロに大きな変化が起こります。そのため、気をつけたいトラブルや病気も年齢によって異なります。

女性ホルモン(エストロゲン)の変化
編集/医療情報化学研究所:病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科 第3版, P104 メディックメディア,2013(引用改変)

 

女性ホルモンの敵とは

ストレス
 近年、男性と同じように忙しく働く女性が増えています。男女公平に働くことができる社会は素晴らしいのですが、一方でヒゲが生えてきたり、すね毛や腕の毛が濃くなってきたりなど男性化する女性も増えているそうです。女性の場合、通常であれば女性ホルモンが男性ホルモンより優位に働きますが、誰かと競争したり、常に興奮した状態におかれたり、不規則な生活を送ったり、ストレスを溜め込んだりすることにより、男性ホルモンが活性化しやすくなります。

 

冷え
手足の末端が冷たい、下半身だけが冷える、体温が低く内蔵が冷えているなど、冷えには様々なタイプがありますが、子宮は冷えに対してとても敏感です。私たちが活動するときは、主に筋肉で熱を発生させています。女性は男性に比べて筋肉が少なく、熱を発生させる力や血液を循環させる力が弱いため男性に比べて筋肉が少なく、熱を発生させる力や血液を循環させる力が弱いため、冷えやすいといわれています。また、体温調節にかかわる自律神経は、女性ホルモンと同じく脳の視床下部でコントロールされています。そのため、自律神経が乱れると、女性ホルモンのバランスも崩れてしまいます。

体が冷え、「深部体温」と呼ばれる体の内部の温度が1度下がると、基礎代謝は約12%も下がるといわれています。基礎代謝が低下すると、痩せにくく、太りやすくなってしまうので、冷えはダイエットの大敵です。また、人の体は深部体温が急降下すると眠くなるようにプログラムされています。眠くなると手足がポカポカと温かくなってくるという経験はないでしょうか?これは、体熱を外に逃して深部体温を下げるために、手足の毛細血管から放熱しています。ところが、手足が冷えていると末梢の血管が拡張せず、体温を下げることができないため、根つきが悪くなってしまいます。

 

質の良い睡眠は、肌の調子を整えたり、若返りのホルモンと呼ばれる「成長ホルモン」を分泌させるなど「キレイ」をつくるためには欠かせない要素です。

 

女性特有の病気を知っておく

忙しくてつい見逃してしまうことの多いのが女性特有の病気です。女性が社会に進出したり、また妊娠・出産回数が昔に比べて減少することによって、様々な病気にかかりやすくなっているそうです。例えば、乳がんの患者数は1970年代の約3倍以上で15人に1人が乳がんにかかり、死亡者数はなんと年間1万人にも上ります。乳がんの他にも、子宮頸がんや子宮内膜症など、女性が気をつけなければならない病気は多くあります。

 

子宮頸がん
子宮の入口付近にある、子宮頸部の粘膜組織に発生するがん。性行為によって感染するヒトパピローマウイルスが最大の原因となる。

 

子宮体がん
子宮内膜から発生するがん。エストロゲンの過剰分泌が誘因であると考えられている。

 

定期的に婦人科で検査を受けることで、早期発見につながります。

婦人科系の検査に行くのは、なかなか積極的に行けない人も多いのでは?
でも、自分のことを後回しにしないで毎年検診を受けましょう。

 

毎日の習慣がキレイの決め手3選

女性ホルモンのバランスを整えるためには、普段の食事や運動、睡眠が重要です。
積極的に摂りたい栄養素をご紹介します。

 

大豆イソフラボン
 大豆胚芽に多く含まれる、ポリフェノールの一種です。エストロゲンと似た構造をもち、抗酸化力にも優れています。女性ホルモンのバランスを整えるだけでなく、美肌にもよい成分です。エストロゲンが不足している状態のときは、イソフラボンが受容体に結合して不足分を補う方向に働くため、エストロゲンと同じ作用が出ます。
タンパク質
健康な女性が1日に必要なタンパク質の量は50~60gです。タンパク質が不足すると筋肉が落ちて、体も冷えやすくなります。タンパク質を多く含む食材は、肉、魚、豆類などです。また、これらの食材には糖や脂質をエネルギーに変えるために重要なビタミンB群も多く含まれています。朝と昼の、これからの活動をするときに食べることで、糖と脂質が効率よく燃えてくれます。
ビタミンE
 ビタミンEには、手先や足先などの血行障害を改善する働きがあり、体の隅々にまで血液を行き渡らせます。冷えで悩む人にとって重要なビタミンです。また、抗酸化作用もあり、美肌をつくるためにも欠かせない栄養素です。紫外線を浴びると肌の奥には活性酸素と呼ばれる物質が発生します。この活性酸素は、コラーゲン繊維を攻撃して切断してしまう酵素をつくり出します。これがシワやたるみなどの肌廊下を招く原因になります。さらに、ビタミンEには自律神経の乱れを改善して、ホルモン分泌を整える働きももちます。

 

日々の食事に意識して摂り入れてみる

 

実は、エストロゲンは体内でしか作れないため、口から補給することは難しいのです。

でも、似た働きを持つ成分を含む食べ物を摂取することで、同様の効果が期待できます。

豆腐や豆乳、納豆などの大豆製品

これらは、ポリフェノールのひとつの大豆イソフラボンを多く含みます。エストロゲン(女性ホルモン)と似た働きを持っています。

 

とろろ昆布・キャベツ・りんご・ぶどう・ピーナッツなど

ボロン(ホウ素)という成分が、エストロゲンの分泌を高める効果があります。ボロンは熱に弱いので、加熱しないで食べましょう。キャベツに多く含まれるのは有名ですが、多くのフルーツにも含まれています。ナッツ類や海藻類にも。 カルシウムの吸収を助ける働きもあるので、骨粗しょう症の予防にも効果的です。

 

オリーブオイルやナッツ類、カボチャなど

ホルモン分泌のバランスを整えるビタミンEが豊富です。
ビタミンEの過剰摂取は、骨粗しょう症の原因になるという慶應義塾大学医学部の研究結果もあるので、サプリメントなどで大量に摂取するのは控えた方がいいかもしれません。

 

何よりも、何でもバランス良く食べるのが大切ですね。

 

 

まとめ

今回は女性ホルモンと男性ホルモンのそれぞれの働きと、毎日をイキイキと過ごすための食についてご紹介しました。

「医食同源」という言葉があるように体は食べるもので作られています。
大切なのはホルモンの変化に対応できる体づくりをして、今日も元気に、そして美しく、
過ごせるように、日々の食事を意識してみてくださいね。

 

今日が人生で一番若い日です。
というわけで。

 

 

以上、参考になれば嬉しいです。

 

 

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